マンドリンとトレモロは切っても切れない関係です。
奏法や表現の方法は曲によって使い分けが必要ですが、
通常はトレモロを避けては通れないのがマンドリンの世界です。
ある日突然トレモロができなくなってしまう…
そんな恐ろしいことが、
実際自分の身に起きたことがあります。
…ということを以前ここに書きました。
立ち直りのために色々と模索していた時に出会った
アレクサンダー・テクニーク。
それは自分の身体と心に向き合うきっかけになりました。
私は何を感じ、何を考え、そしてどうしたいのか。
以来、自分で心を決めて行動することを学びつつあります。
先日、愛好会有志が9人集まって、
アレクサンダー・テクニークの教師、黒田好美先生をお迎えし、
3時間ほどのワークショップを開催しました。
テーマは、
「楽器演奏者としてより良いパフォーマンスをするには」
まずは骨格模型のナオキ君から
脊椎と頭蓋骨の関係や、
身体の各部の繋がりなどを教わりました。

ナオキ氏
次に先生が提案されたのは、
これまでの「あたりまえ」「ふつう」を
一度手放して見直してみるための実践的ゲーム。
例えば目をつぶって歩くとか、
人差し指で支える割りばし一本で隣の人と繋がり、
目を閉じてそれを落とさないよう互いに立ったり座ったりするとか。
そんな数々のゲームを通して、
周りの人や様子から様々なことをキャッチしたり、
場合によっては緊張を覚えることを自覚してみたり。

その後、各自が楽器を持って座ってみました。
ちょっとした姿勢の不自然な癖を、
先生に本来あるべき向きに少し修正して頂くと…
本人も周囲も驚くほど音が変わったのです。


先生のhands-onで得た筋感覚を言葉にしてみる体験は、
誰しもが新鮮に感じました。
無意識にしていた動きが本当に必要なことなのか、
更にはそれを止めることを選ぶという発想に触れ、
まさに目からウロコが落ちる感じでした。
先生は、「人前で音楽を奏でるという表現者にとって、
自分の反応や思考がダイレクトに音楽に影響していることに気づいて」
と仰るのです。
そして「表現者の自覚をどう育てていくのか気づいて」とも。
また、刺激は外から訪れるものだけれど、
反応は私たちが自由に選択できるものだと教わりました。
自分の身体をどう使っていくのか。
身体の各部の繋がりを思い出し、
外からくる刺激に対する緊張をやり過ごし、
伝えたい音楽を奏でる自分を思い描いてみました。
すぐにクリアできることではないと思うのですが、
レッスンで得た様々なヒントを糧に、
ワクワクしながら楽器と付き合っていきたいと
あらためて思いました。
9人いれば9人9色。
人それぞれの反応がお互いに良い刺激になりました。
グループレッスンは私には非常に興味深かったです。
アレクサンダー・テクニーク・ワークショップ。
是非また開いてみたいです。
黒田好美先生、ありがとうございました!

【静岡マンドリン愛好会】
第44回定期演奏会
〜マンドリンの夕べ〜
2018年11月24日(土)
開場17:45/開演18:30
静岡音楽館AOI 8階 ホール
入場料:一般1,000円/学生500円
【ジャパン・スーパーユース・マンドリンオーケストラ】
セミナー:8/17(金)〜18(土)清水テルサ
コンサート:8/19(日)しずぎんホール「ユーフォニア」
http://youth-mandolin.org/